『あなたが私を好きだった頃』
なんとせつない題なのでしょう。読まずにはいられないと思いました。本の扉を開くと「あの人があなたを苦しめているのではなく あなたの心があなたを苦しめている」と書いてあります。これは井形慶子さんが心して書いた本なのだから、私も心して読もうと思いました。
人を好きになると、相手の心が知りたくなります。相手の心のなかに入っていきたくなります。相手の気持ちが見えたり見えなかったり、もどかしくて苦しくて、聞けばいいのに聞けなくて、聞いたら聞いたでますます見えなくなって、自問自答がはじまります。男と女はなかなかわかりあえないものですね。だから惹かれあうのだと思います。
好きの次には、好きのあかしがほしくなります。男も女も具体的なことを相手に求めはじめます。相手の人生に具体を与えたいと願い、自分の人生にも具体を与えてほしいと願います。
私はこの本を読んで、人生には具体と抽象が必要だと感じました。
「あなたが私を好きだった頃」という題は意味深いです。あの頃を振り返ることができるのはきっと今が幸せだからこそ。とことん好きになって具体を尽くせば、究極的に現れ出るのは抽象ではないでしょうか。
記事を書くに当たって改めて本の表紙を見てみたら「You Used to Belong to Me」とあるのに気づきました。一途と執着は紙一重、好きと愛するも紙一重。せつない心の葛藤本ですが、たぶんそれが昇華された後に書かれているからでしょう、読後感はさわやかでした。
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コメント
おはようございます。
とても興味深い本ですね。一度読んでみたい気がします。
それにしても、修羅場を通り越さないと分からないことってあるんでしょうね。
別に、実際に相手と「男女の修羅場」を演じなくても、自分の心の中だけの勝手な修羅場だけでも、演じればその先から「抽象」や「紙一重」が見えてくる場合もあるのでしょうか。
私は最近、夫と離れてしまう夢を見たせいか、夫にひどく執着しているような気がします(^^;
執着はイヤですね。相手も自分も自由でいられないから。
どうもありがとう。それでは、また(^.^)/~~~
投稿: ケララ | 2005.10.12 07:40
こんにちは~、chiikoさん。
井形さんの「あなたの心があなたを苦しめている」という言葉・・・いろんな出来事にあてはまるなぁと思いました。。。
今日はその言葉をもらって、過ごしてみようと思います~。
投稿: りよ | 2005.10.12 10:43
ケララさん、こんにちは!
きょう虹のこちらは晴れてます。
そちらも晴れてますか。
ご主人に執着しているんですね。
好きのあかしかしら。
執着が愛の到着♡愛着になればいいですね。
この本を読んで、私はシャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」をふと思い出しました。
いつもどうもありがとう。ではまたね!
投稿: chiiko(ケララさんへ) | 2005.10.12 11:46
りよさん、こんにちは!
この本の主なテーマは恋愛なのですが、
つまりは心について書いた本だと思います。
井形さんの冒頭のこの言葉は大切なことを教えてくれていますよね。
素敵な午後をお過ごしください。ではまた!
投稿: chiiko(りよさんへ) | 2005.10.12 12:04
すごく読んでみたくなりました
葛藤がここのところあったので…
って、いつもそんな感じの精神状態なんですけどね。。。私は
知りたくて、知ってしまったら次へ進みたくて…
いつまでも、もっともっとと求めてしまうものなのかもしれません
投稿: とんすけ | 2005.10.13 00:10
とんすけさん、おはようございます!
この本、私は心して読んだのですが、
あっという間に読みました。
本との出会いもその人にとってのベストタイミングがあると思います。
ここのところ葛藤があったのですね。
日々葛藤。それ、私です。
葛藤は、次へ次へと進む力にもなると思います。
きょうもよい一日を。ではまた!
投稿: chiiko(とんすけさんへ) | 2005.10.13 06:23