岡本太郎美術館
五月の初めに訪れた川崎市岡本太郎美術館についての感想です。
生田緑地という広大な緑の山の地中に抱かれるようにこの美術館は建てられています。行くと、まずは山のいただきに立つ「母の塔」が迎えてくれます。東京・青山の岡本太郎記念館にいる太郎さんが、敏子さんのなかに抱かれた太郎さんだとしたら、ここにいるのは、母かの子さんのなかに抱かれた太郎さん。
美術館ではただいま「邂逅のドラマ展」開催中。絵やモニュメント、写真、映像などがダイナミックに配置されています。「芸術は爆発だ」「顔はいつでも新しい」「どんなものにも顔がある。グラスの底に顔があってもいいじゃないか」などなど懐かしいCM映像もありました。
なによりくぎづけになったのが、「遭遇」という大きな絵を描く太郎さんを撮影したフィルムです。一言も声を発しない太郎さん。でも、語りかけてくるんです、わきあがりたちのぼる内からの情熱と声でもって。絵の制作過程の一部始終を見られる貴重な映像だと思います。
この美術館でいいなと思った点の1つが、とても静かだったということです。もちろん絵を見る人々のざわめき、にぎわいはありましたが。よく博物館や美術館へ行くと、展示物などを説明するナレーションの音やなにかがつねにどこからか聞えてきたりしますが、ここにはそれがありませんでした。聞えてくるのはテレビやCMで語る太郎さんの声のみ。それも耳を澄まさないと聞こえないようなボリュームで。静かな爆発。もしかしたらこれは敏子さんの意向だったのかもしれません。
岡本太郎美術館も岡本太郎記念館も、これから少しずつ変わっていくのだと思います。敏子さんが生きて見届けた最後の展覧会を2つ、私は見ることができました。変わらないものは何もない、ただひとつ変わらないものがあるとすれば、すべては変わるということだけだ、と太郎さんがどこかで言っていたような記憶があります。
今夜「たけしの誰でもピカソ」で岡本敏子さんの特集があるそうです。
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コメント
たけしの番組見ました。
敏子さんってすごいなぁって思っちゃいました。
人を愛する次元が違う。
太郎さん幸せだったんだろうな。
敏子さんはもっと幸せだったんだろうな。
太郎さんを語るときキラキラわくわくしてますもんね。
投稿: まりりん | 2005.05.28 09:36
まりりんさん、こんにちは!
昨夜の番組、見られたんですね。
私はいろいろあって見られなかったのです。
敏子さん、すごかったですか~
人を愛する次元が違うと感じたんですね。
好きな人のことを語るとき人はキラキラわくわくして
もっともっと輝くのでしょうね。
感想を教えていただき、どうもありがとうございます。
よい週末をお過ごしください。ではまた!
投稿: chiiko(まりりんさんへ) | 2005.05.28 11:43
こんにちは。番組見られなかったのですか?残念!!
あれから、番組紹介の記事を番組の感想に書き換えちゃいました。
凄い長文になってしまった。。。
33年振りに出会った太郎の巨大壁画に、子供の様に喜ぶ敏子さんが印象的でした。私たちは、あの作品に、いつ会えるんでしょうか?愉しみです!
投稿: キャプテンレイジー | 2005.05.30 16:26
キャプテンレイジーさん、こんばんは!
ご報告いただきどうもありがとうございます。
子供の様に喜ぶ敏子さん、見たかったです~
次に太郎さん&敏子さんに会える機会を楽しみにしています。
巨大壁画も楽しみです。
また何かあったら教えてください。
ではまた!
投稿: chiiko(キャプテンレイジーさんへ) | 2005.05.30 19:45