詩人・川崎洋さん逝く
ひとは いつか ここからきえてなくなる
かたちをなくして かたちないものになる
みえないもの きこえないもの かたちないものになる
そこにあるものになる うまれるまえそうであったように
かたちをなくして かたちないものになる
人はいつかこの世から消えてなくなります。人の心に残るものを形として残せたら、それはとても幸せなことでしょうね。川崎洋さんは言葉の種をまき、花を咲かせて、実をみのらせました。
茨木のり子さんは『詩のこころを読む』のなかで川崎さんの詩をとりあげて次のように語ります。
「目にはっきり見えたり、耳に定かに聞こえたりはしないけれど、確かに存在するものに注意を集中するのも詩人の一つの特徴で、見えないものを視、聞こえないものを聴いたりします。
幻聴や幻覚と紙一重のところで、もう少し冷静に。」
そして、次の詩を紹介しています。
「言 葉」
演奏を聴いていなくても
人は
♪を耳の奥に甦えらせることができる
言葉にしなくても
一つの考えが
人の心にあるように
むしろ言葉に記すと
世界はとたんに不確かになる
私の「青」
はあなたの「青」なのだろうか?
あなたの「真実」は
私の「真実」?
──詩集『祝婚歌』
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コメント
そうでしたか…。
川崎洋さん好きです。
新聞の子どもの詩選評もなくなるのですね。残念。
投稿: あんず | 2004.10.23 07:41
あんずさん、おはよう。
あんずさんも川崎洋さんが好きなのね。
読売新聞でこどもの詩の選評をしていたようですね。
残念ですね。これからも川崎さんの詩を読んでいきたいと思います。では、またね!
投稿: chiiko(あんずさんへ) | 2004.10.23 07:56