« 人間の証明と西條八十詩集 | トップページ | 4人プラス1人の家族旅行 »

2004.07.12

ふるさとに住む

結婚してどこに住むかはとても大切な問題だと思う。私は結婚後あまり深く考えることなく夫の勤務地に移り住んでいった。その地に私の知る人はほとんどいなかったが、新しい地で新しい自分になれる気がして、私はとても晴々とした気分でその地に移り住んでいった。
好きな人のふるさとに住みたい人。自分のふるさとに住みたい人。どこに住みたいと思うかは、人それぞれ男女それぞれ、その時々の事情によるだろう。私は自分のふるさとに住みたいとは思わない。好きな人のふるさとにも住みたいとは思わない。ふるさとは遠くにあってほしい。できるなら二人にとって思い出の地、あるいは新しい自由の地に住めたらいい。何より好きな人と一緒に住むことができれば、それが一番の幸せなのだと最近つくづく思っている。
私のふるさとには小さいけれども、とても美しい山があって、母に言わせれば富士山よりもきれいな姿形をしているという。そして、その山の見える場所に生まれた者は生涯その山の見える場所に住みたいと思うものよと、母はその愛着のほどをひとりごとのように時折つぶやく。事実、母は生まれてからふるさとにずっと住み続けている。多分これからもそうなのだろう。母の人生も山あり谷ありだが、いつもあの山を仰ぎ見ながら生きてきたという点においてはとても幸せなのだと思う。今、私はふるさとにいてその山を目の前にして、幼い頃よりも懐かしさを覚えながら仰ぎ見ている。母の気持ちが少しわかる気がする。時の流れというのはすごいなと思う。

|

« 人間の証明と西條八十詩集 | トップページ | 4人プラス1人の家族旅行 »

コメント

結婚当初は住む場所 深く考えませんでしたが
私が九州
嫁さんは大阪 子どもができて 帰省も大変

老後を ・・・ 考えると
悩みます

今は東京在住です ・・・ 随分と帰省してません

投稿: 和パパ | 2004.07.12 08:22

おはようございます。chiikoさん
もう、お戻りになられているのかな?お帰りなさい♪
山の風景が心に映る言葉、拝見させていただきました。
言葉にならないものが、ギュッとこの中に詰まっているのですが、それはchiikoさんの心でしょうか・・・
朝焼けに泉に映るその姿・・・鏡のような泉に朝陽に美しく彩られた山の姿が見え、そのほとりに誰かが佇む・・・という絵が私のイメージです。時の旅・・・を終えて、何かを見つけられたのですね。

投稿: runa | 2004.07.12 08:35

おはようございます!
蛍石さんの故郷は、夫の故郷と似ています。
山があり、「出たい組」と「残りたい組」に分かれ・・・
夫は「出たい組」で東京に出てきましたが。

私は県内移動が多いです。
でもずっと、海外に出たい組でした。
ようやく「出れた!」と思ったのに、早くもリターン。
またいつか、どこかの国に住むチャンスを待とうと思います。

懐かしい故郷で、のんびり過ごされますように♪

投稿: すいれん | 2004.07.12 08:43

和パパさん、こんにちは。
ふるさとの違う者同士の結婚は帰省が大変ですね。
我が家は九州と四国なので2年に1度ぐらい
ピークを外して帰省します。
同郷ならよかったのにとたまに思いますが、
ふるさとが2つあるということなので
これもまあいいかなと。
コメント、どうもありがとうございます!

投稿: chiiko(和パパさんへ) | 2004.07.12 15:44

runaさん、こんにちは!
時の旅の1つは終えましたが、実はまだ続いてます。
runaさんのイメージとても美し過ぎます~
実際目の前にあるのはただの普通の田舎の山です。
ただ、今回は今まで見ていた山と印象が違います。
私もちょっとは成長したということでしょうか。

runaさんの描いたイメージ、絵になりそうですね。
できたらまた見せてください。では、また!

投稿: chiiko(runaさんへ) | 2004.07.12 15:54

すいれんさん、こんにちは。
すいれんさんとご主人は「出たい組」という共通点があるのですね。
うちもそうです。
そして海外に連れ出してくれたのはご主人ということは、やはりご主人はすいれんさんの人生にとって欠くことのできない大切な人。
もうそろそろリターンということですが、
次の地へ運ぶキーパーソンもやはりご主人なのかしら……。
人生って何が起こるかわからないから次のチャンスを楽しみにお待ちください。
どうもありがとう! では、また。

投稿: chiiko(すいれんさんへ) | 2004.07.12 16:05

こんばんわ

σ(・_・)は九州出身で、故郷に対しての想いっていろいろ
あります。
今思えば地元に残った方が良かったかなぁなんて思うことも
あるけれど、残ったらやっぱり後悔してただろうな。

3年で帰るつもりが茨城に20年、そして今年初めて東京
に出て来ました。
人生の半分を茨城で過ごしているわけで、もう第2の故郷
でもあります。
これからまた、新しい故郷を作る。。。。
こんな気持ちの切り替えで今を過ごしています。

ちなみに、嫁は今住んでるところの隣駅が実家(^^♪
サラリーマン人生で親元に近い所に住める機会ってそうは
ないから、こんなんもアリかっておもってここに住んでます。

投稿: kent | 2004.07.13 01:37

kentさん、おはようございます。
今までの人生の道のりを教えていただいたようで
ちょっと感激です。
第2の故郷と呼べるところができてよかったですね。
そして今、新しい故郷をつくっているのですね。
kentさんならきっとできると思います。
奥さまの実家が近いというのはよいですね。
やっぱりそこもkentさんにとってふるさとですものね。
では、また!


投稿: chiiko(kentさんへ) | 2004.07.13 06:49

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ふるさとに住む:

« 人間の証明と西條八十詩集 | トップページ | 4人プラス1人の家族旅行 »