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2004.01.02

『龍は眠る』

『龍は眠る』宮部みゆき著・新潮文庫

私はサイキックではないと思います、多分。
でも、サイキックについてはずっと興味を持って生きてきました。
私はもともと推理小説はあまり読まないし、だいいちここ数年、小説さえ読まなくなっていました。
それが偶然にも、サイキックについて書かれたこの本の存在を知り、年末・年始にかけて一気に読み終えました。
これは超能力を持って生まれた少年と青年のたどる運命と、その周辺で引き起こされる事件を描いた小説です。
宮部さんは上質の文章力で登場人物を丹念に描いていて、読む者を物語の中へいざなっていきます。
サイキックとして生きる人々の悲しさや苦しさ、そしてその意味深さを、私なりに理解できました。
読み終わってこれほど小説を堪能したと感じたのは、ほんとうに久しぶり。
宮部さんもある意味、超常能力を持った方だとつくづく思わせる作品です。
そして、私の中にも龍が眠っているのだろうかという思いが読了後、まだ続いています。
今、私がこの本に出会えたのもきっと意味のあることなのでしょう。

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コメント

chiikoさん,御紹介ありがとうございます。

普通の超能力者ではありませんが,超能力を持つ異星人の高校生を主人公とする海外ドラマで「ロズウェル」というのを,数年前にNHKでやっていました。(http://www.geocities.co.jp/Hollywood/4103/eplib1/ros_ep.htm

これ,表向きはSFドラマなのですが,普通の青年が出会うさまざまな問題を,「異星人」という極端な異文化を使うことで取り扱っているような気がしました。

本も出ているのですが,やはりテレビドラマのイメージから入っていると,大分違和感がありました。(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150113556/qid=1120210410/sr=1-11/ref=sr_1_2_11/250-1716475-9957857

投稿: なも | 2005.07.01 18:34

なもさん、こんばんは!
記事を読んでいただきどうもありがとうございます。
ドラマと本のご紹介もありがとうございます。
超能力者と異星人には興味津々の私です。
またなにか情報がありましたら教えてください。
話はまたすこしとびますが、ドラマ「時をかける少女」のことはご存じですか。
はるか昔にNHKの少年ドラマシリーズで放映してました。
私の不思議好きの原点は、このドラマにあります。

よい週末をお過ごしください。ではまた!

投稿: chiiko(なもさんへ) | 2005.07.01 19:34

『時をかける少女』を語らせてもらうと長くなりそうです。

この小説はまず,テレビドラマになる前,角川が取り上げる前に,盛光社という今はきっとないだろう出版社から「ジュブナイルSFシリーズ」の1冊として出版されました。(http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no25_19990329/special1-4-3.html この記事ではシリーズ名が「ジュニアSF」と書かれていますが,私の記憶では「ジュブナイルSF」だったように思います。)

このシリーズには,矢野徹,光瀬龍,福島正実,筒井康隆,眉村卓,豊田有恒,小松左京,筒井康隆,光瀬龍など,その後の日本のSFを背負って立った人々の作品が含まれていました。

これを読んでいたのが小学校5年生のころで,先生に提出することになっていた日記に,タイムマシーン物のパラドックスとして出てくる,「もし行った先の場所が岩山の中のように,固い物質の詰まったところだったらどうなるか?」といった話を得意気に書いていたのを覚えています。

投稿: なも | 2005.07.01 20:44

なもさん、おはようございます!
なもさんも「時をかける少女」にそうとう深い思い入れがあるようですね。盛光社のシリーズのことは私、知りませんでした。
私はドラマ化の後に鶴書房という出版社からでている筒井康隆氏の『時をかける少女』と石山透氏の『続・時をかける少女』を買いました。今でも大切に持っています。
とくに石山氏のほうはドラマの写真つきで、場面が鮮やかによみがえります。

なもさんのおっしゃるタイムマシーン物のパラドックス、おもしろいですね。それでどうなるか?のつづきが知りたくなりました。

あのドラマを見てからずっとケン・ソゴルの再訪を待ちわびている私です。
きょうもよい一日を。ではまた!


投稿: chiiko(なもさんへ) | 2005.07.02 07:07

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