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2008.10.23

『あとみよそわか』幸田文著

父・こんなこと (新潮文庫)

今秋朗読発表会で読んだのは、幸田文『父・こんなこと』より『あとみよそわか』。朗読時間は10分(前回から3分間進化!)。父・幸田露伴は言わずと知れた大文学者、実生活では躾け全般もろもろ大層厳格な方で、文さんに整理整頓、行儀作法等々(「おしろいのつけかた、豆腐の切りかた、障子の張りかた、借金の挨拶、恋の出入り」までも)、事細かに丁寧に教育したそうです。まさに教育とは教え育てることなのだと読んで身に沁み入ります。『あとみよそわか』では、掃除の仕方・段取り、はたき・箒の手入れ扱い方を、時に叱りつけ時に機嫌をとりながら実地で教えていく日々の過程が書かれています。父娘の動作と言葉のやりとりはまさに真剣勝負。でもそれだけに読む方には実にヒューマンでユーモラスに伝わります。掃除の仕方を教えながら生き方・働き方・書き方、人としてあるべき姿を説いています。

「そわか」は真言の最後につける語「莎婆訶(ソワカ)」。「女はごみっぽいもんだから、もういいと思ってからももう一度よく、呪文をとなえて見るんだ」と父。あと見よ、そわか。あとみよそわか。この私も全くせっかちおっちょこちょいであとの始末が間抜けな人間なので、この言葉を肝に銘じておきたいです。

追伸。人前での朗読はとても気持ち良かった(直前までその最中もドキドキだったけど、だんだんにワクワクしていった)。いつもより広い空間で声を響かせ作者の言葉と心を届ける。ただそれだけのこと、ただそれが嬉しくて嬉しくて、不安も緊張も失敗も乗り越えていける。ああ私も図太くなったものです。

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コメント

chiikoさん、こんにちわ!
朗読発表会で読まれたのですね。
『あとみよそわか』って、どんな意味だろうと
思って読んでいました。
なるほど、肝に銘じてですね。
父娘の動作と言葉のやりとりが真剣勝負だなんて
あまり経験ないもので、羨ましくもありますね。

投稿: うさうさ | 2008.10.23 11:16

こんばんは。

朗読発表会、お疲れ様でした。
いろいろ、素敵な発見があったようですね。

掃除の仕方を父親から習うなんて、私には縁のないことです。
そういえば、母からも順序だてて掃除を習ったことはなかった・・・。
私は実用書として「あとみよそわか」を読むべきじゃないかと思いました。

父から習ったことの代表的なことは、
アツアツのごはんに、バターと醤油をまぜて食べることです。
子供の頃、大好物でした。
今も好きだけど、バター醤油ごはんは太るので食べないようにしています。

父親に習うことって、当然だけどその人その時代でまったく違いますね。
とても興味深いことだと思います。

投稿: ケララ | 2008.10.23 20:50

うさうささん、おはようございます!
私も初めてこの話を読んだ時は、「あとみよそわか」ってどんな意味なんだろうと、よくわからなかったです。
だんだん読みを深めていって、ほかの本で脚注とかを調べていくうちに、
ある時、あっ、わかったって。
私の父は、兄には厳しかったけど私には優しかったです。
でも何度か叱られて、その時の表情とか言葉は今でもよく覚えています。

どうもありがとう。きょうもよい一日を!

投稿: chiiko | 2008.10.24 06:30

ケララさん、おはようございます!
発表会、お蔭様で楽しく有意義に終わりました。
やっぱりトライしてよかったなあと思いました。

そうそう、この本は生きる実用書となります。
(箒もはたきも今の時代にはもう使わないけど。)
(でも箒やはたきは、今の時代にこそもう一度見直されてもいいかもね)

うちの父は食堂の息子だったので、舌が肥えていて、時々作る料理も上手でした。
特にすき焼きの味は絶品で、同じ作り方で作ってもあの味はどうしても私には再現できないです。

あと、私に碁を教えようと必死でした。
私は全くわかりが悪くて退屈で退屈で、覚えないまま五並べだけは得意になって。

お父さんのお話聞かせてくれてどうもありがとう。
きょうもよい一日を!

投稿: chiiko | 2008.10.24 06:41

こんばんは~、chiikoさん!

ついに朗読がワクワクするまでになりましたかっ。v^^v
人前は真剣勝負!楽しめるようになってよかったですね。


「あとみよそわか」、お経で「そわか」って聞いたような・・・。
大作家さんもお父さんなんですね。
「あと見よ、そわか」、私も肝に銘じてそうしますヨ。


もう秋なのに、暖かい日が続きました。
このままがいいような、秋風が恋しいような・・。
今日も元気で!
ではではまたね~^^。


投稿: りよ | 2008.10.25 02:27

りよさん、おはようございます!
そうそう、人前での真剣勝負はまず自分が楽しまないとね。
皆様に楽しんで聞いていただくために。

「そわか」。お経であるんですね。
成就を意味する言葉だとか……。
父も人なんですね。それも一番の人。

昨日も人前に立ちました。
試練でもあり、でもワクワクしました。
人の気持ちに触れて温かい気持ちにもなりました。
今日も元気で過ごせる予感!
どうもありがとう。りよさんもよい週末を!

投稿: chiiko | 2008.10.25 06:48

chiikoさんおひさしぶりです。

朗読発表会、お気持ち分かります。
ただ、私の場合子どもへ向けての絵本の読み聞かせですが(笑)。

娘も3年生になり、そろそろ絵本ではなく
本のさわり部分でも朗読しようかな?と思っていたところです。

11月の声が聞こえてくる頃、やっぱり急に寒くなりましたね。
どうぞ、お体に気をつけて。
遠く透き通る高い11月の空の下、晩秋を楽しみましょうね。

投稿: あつべえ | 2008.11.01 17:07

あつべえさん、おはようございます!
朗読は読む人と聞く人みんなが主役でハラハラドキドキ。
気持ちが生き生きしてきます。
あつべえさんも読んでいるのね?!
聞いてくれる人がいるから、伝えたい人がいるからですよね。

私はお蔭様でとても元気です。どうもありがとう。
11月の空は真っ正直でいいなあ。
あつべえさんもどうぞお元気で。きょうもあしたもよい一日を!


投稿: chiiko | 2008.11.03 06:06

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