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2005.03.25

「ショコラ」

店の扉はいつも開いていて、誰でも出入り自由。
誰が来るかは、その日その時にならないとわからない。
誰も来ない日もある、にぎわいの日もある。
来るもの拒まず、去るもの追わず。

思い出すのが映画「ショコラ」。ジュリエット・ビノシュとジョニー・デップが愛の放浪者を演じています。

ビノシュはある日ある村に北風に吹かれてやってきて、チョコレート店を始めます。彼女は誰にでも公平に扉を開き、不思議な愛のチョコを売ります(贈ります)。そのことで時に自分の心が深く傷つくこともあるけれど、彼女は扉を開きつづけ村人たちにチョコを贈りつづけます。

店の扉が、彼女の心の扉の象徴として描かれています。
デップは扉のつくりの弱さ・もろさに気づき、そのことを彼女にさらりと伝えます。でも、ふたりともそのままにして直そうとはしません。

やがてガラスの扉は心ない者によって割れてしまいます。彼は彼女の扉を木で直そうとしますが、完全に直すことはできません。直しても直しても扉が音を立ててきしむのです。

ふたりはひととき愛し合いますが、やがて彼は彼女のもとを去っていきます。彼は放浪者だから、ひとところに長くはいられないのです。

そんな彼が物語のラストで、彼女の扉を直すためにふたたび村へ戻り、彼女の扉を完全に直してみせます。彼は彼女の心の扉を直すことで、不完全だった自分の心の扉も直したかったのだと思います。

ふたりの放浪者は長い旅の果てに互いの家となり、放浪生活にピリオドを打ちます。赤い糸のハッピーエンド物語。

ラスト近くで牧師が「人の価値は、何を禁止するかでは決まらない。何を受け入れるかで決まる」と言っていたのが印象に残りました。扉は閉ざすためにあるのではなく開くためにある、ということでしょうか。

テーマは心の扉。扉のメンテナンスは自分ひとりが基本。けれど時にはどうしようもなくダメージを受けて、ひとりで直せないこともある。そういう時には互いに直し合えばいいのだな、と教えられた映画です。

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コメント

「ショコラ」は、観たい観たいと思っていて、まだ観ていない映画です(私、そういうのが多いの (^^ゞ。

やっぱり、自分らしくあるのが、自分にとっては一番ということでしょうか。
自然体にしていれば、分かる人には分かってもらえる。
去っていく人もいるけれど、自分から来てくれる人もいる。

しかし、扉を大きく開くのも、自分にある程度自信があって、気分的に自立していないとできないことですね。
「君は君、我は我なり、されど仲良き」みたいなね(^^;

微妙に今日の私のブログとシンクロしています。
いつも、どうもありがとうございます~♪

投稿: ケララ | 2005.03.25 10:50

こんにちは、chiikoさん。
チョコで思い出したのはウェブチョコ。
chiikoさんから勝手にもらったつもりでいたので、お返しはどんなもんだろうと思っていましたが、ウェブで返しときます。
でも3倍返しは無理だと思う。どれくらいが3倍なのかよくわからないし。
扉の修復は時には二人で、それはいいな。
じゃ、また。

投稿: とろやま太陽 | 2005.03.25 11:42

ケララさん、こんにちは!
私も記事がプチシンクロしていると思いましたよ。
わかる人にはわかる微妙で絶妙なシンクロ~

いつも自然体でいることですよね。
「君は君、我は我なり、されど仲良き」
よい言葉ですね。
私の扉は時々大きくなったり時々小さくなったり
しています。
かぎは閉めないようにしておこうと思います。
きょうもよい一日を。
あすの早朝、満月です。ではまた!

投稿: chiiko(ケララさんへ) | 2005.03.25 11:48

とろやま太陽さん、こんにちは!
ウェブチョコ、とろやま太陽さんの
ところへ届きましたか~
行方知らずでいまいずこ状態だったんです。
1個発見こころも晴れた。
扉もノーダメージというわけには
いきませんよね。
きょうのこの記事、読み返すと
我ながらせつないです。
きょうもよい一日を。ではまた!

投稿: chiiko(とろやま太陽さんへ) | 2005.03.25 11:57

chiikoさん、こんにちは。

「ショコラ」好きです。
見所もchiikoさんが言葉にするとすてきで
またみたくなりました。(DVD所有。)

もちろんチョコもおいしそうで
お気に入りの映画です。

投稿: kyo-ko | 2005.03.25 15:31

kyo-koさん、こんにちは!
kyo-koさんも観ているんですね。
私はレンタルしてバレンタインデーの頃
観ました。やっといま頃記事になりました。
チョコを食べるとみんなうっとりしてましたよね。
私もビノシュのチョコを食べてみたいです。
ではまた!

投稿: chiiko(kyo-koさんへ) | 2005.03.25 17:42

chiikoさん
ショコラ、好きです。映画の雰囲気がとてもいいですね。
この映画から漂う香りが良かったなぁ。

観た当時は「扉」について、あまり意識してなかったのですが、
chiikoさんの話を読んでいると、また観てみたくなりました。

ショコラのような味わいの映画、いろいろ紹介して
もらえると嬉しいです。

投稿: 空耳太郎 | 2005.03.25 22:36

空耳太郎さん、おはようございます!
ショコラ、好きなんですね。私もですよ。
もっと早く観ればよかったなと思ってます。
でも、私としてはいまのタイミングだったのかも。
素直に心に響いた作品です。
あんなふうになれたらいいなと思いました。
私もチョコがつくりたいなと思いました。
きのうも走ったのですね。月すごかったですね。
きょうもよい一日をお過ごしください。
ではまた!

投稿: chiiko(空耳太郎さんへ) | 2005.03.26 07:49

ショコラ。
ジョニー・デップの存在感が溢れてましたね。
あの存在感は何なのでしょう。
彼が画面に登場するだけで
オーラを感じます。

Chiikoさんの解説、
うなずきながら読んでました。
いつもながら洞察力のある内容です。
また、映画の感想を聞かせてください。
楽しみにしてます!

投稿: layback | 2005.03.26 21:40

laybackさん、おはようございます!
ショコラ。
やっと感想が書けました。
ジョニー・デップ本当にいいですよね。
本当に。出番はそう多くはなかったけど
存在感がありましたよね。
これは村人たちの心の扉を開く物語でもあるんですよね。

きょうもよい一日を。ではまた!

投稿: chiiko(laybackさんへ) | 2005.03.27 08:16

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